Monotribeを手に入れた

Korg Monotribe

monotribeの改造についてはこちらのサイトで、さまざまなアイディアがきれいにまとめられている。

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このほかにも多くの方が挑戦されているらしく、日々そのレポートがいろいろなところから飛び込んできてワクワクな毎日。僕は、Aire Variableさんのページに深い印象を受けて、ずっと拝見していた。

Aire Variable / Korg monotribe分解

無改造のMonotribeがデフォルトで出力するゲートの出力のオシロの画像が公開されていて、これを元に、マイコンで15msのトリガーを出力させられれば、氏の解析画像そっくりの波形を出力するハードを設計したが、キチンと発表するチャンスが無いままになってしまっている。
特に、Serialという名前の付いたコネクタ周辺の解析と、そこに流れている信号の解析にはドキドキさせられた。
氏の解析を受け、Gameboy Geniusというサイトに、nitro2k01氏が”Monotribe, MIDI and me”という記事を投稿された。この記事の内容を追試してみた。MonotribeのMIDI化だ。

Monotribe MIDI化

MIDI入力に最低限必要な部分

オリジナルの記事では、抵抗1本付けときゃいい、よみたいな言い方もされているけど、これ、MIDI情報の送信側と、受信側の機器のグランドのレベルがずれてないのが大前提。
経験的には、なぜか、2台の機器のグランドレベルが、数十ボルトずれてたりするのを見たことがある僕としては、お勧めできない。まあ。電池稼動の2台の機器ならそんなにずれることは無いはずだけど。

MIDIは5mAのカレントループというルールになっている。詳細はMIDIスルーボックスの記事の中でも紹介しているとおり、電源が5Vなら、相手はフォトカプラを使うと決まってるので、LEDの電圧降下(FV)が2Vとして3Vに5mA流すには、3(V)/5(mA=)0.6kΩ。これを電源側、トランジスタの出力、LEDの入力に3等分して200Ωづつ、それぞれに付ける。
MIDI送信に関しては、 ”Monotribe, MIDI and me”の "MIDI, the electrical side of things"というセクションの最初に出ている回路図のR1,とR2に当たる抵抗だけど、 出力が3.3V出ているのであれば、フォトカプラのLEDの電圧降下分の2Vを引いて1.3V。これに5mAだから、抵抗は260オーム。受信側に200オームは入っているに違いないから残りは60オーム。nitro2k01氏も同様の計算をされているようだ。

フォトカプラの基板デザイン例

何かのトラブルで、電源や、出力がそのままグランドにショートするのはいや(普通は壊れる)だから、30オームずつわけて、ポートの出力に30オーム、電源に30オームの抵抗をつける。いや、30オームぐらいじゃ保護にならない気もする。多分、トランジスタ1発いれてレベル変換するのが正攻法だけど、特に、ここではトランジスタ1発動かすための5Vどーすんだよ、とか考え始めると、ま、そとへは持ち出さないし、自分のうちの自分の機材だけで動きゃいいんじゃない?というセンス的に150オームから始めて、動く所まで下げていくという方法論もあり。どちらにせよ、一番低いところは30オームまで。
入力は、普通にフォトカプラを使う。東芝からもセカンドソースが出ている6N138を使った。写真では、330オームが付いているけど裏に1.5kが並列についていて、回路図どおり270オーム。330オームでは若干スピードが足りないらしい。音が出たり止まったり、なんとなく動く、というデジタルらしからぬ、まるでランニングステータスの解釈をミスったような動作をする。

BOM
U16N138Phtocpller
D11N4148Switching Diode
R1220R1/4W carbone
R2270R1/4W carbone
C10.1uCeramic
MIDI-IF for monotribe BOM

nitro2k01氏の記事では、2段目のトランジスタにバイアス用の抵抗として4.7kを7ピンに接続してるが、僕はナシでも動いた。 air Variablesさんの記事によれば、Serialという名前の付いたコネクタは 東芝のARMコアのデータシートと見比べると、以下のようになっているそうだ。

  • 1.IC11-20(/BOOT)
  • 2.IC11-12(RXD0)
  • 3.IC11-11(TXD0)
  • 4.VDD(3.3V)
  • 5.GND
  • 6.IC11-29(SCK1)
上記フォトカプラの回路は、VCCを4Pinへ、GNDを5Pinへ、Sig.を2Pinへ接続する。動かなかったらMIDIコネクタ周りを見直す。ミスの80%は、Dinの5Pinと4Pinの勘違いだ。

一般に公開されている電気回路は正しく動くように設計されていて、それを正しく組み立てれば、大体正しく動作する。普通のことだけど、DIYを続けていると、いつでもうまく行かない事も少なくない。組み立てのデバッグで初心者が陥りがちなミスは、「もともと、部品が壊れてんじゃないの」という心配。間違えなく組み立てたはずなのに思ったように動かないのは、組み立てミスがあるのだというところからスタートしていい。
たとえば、オペアンプの電源片方接続するの忘れてオーディオを通したとき、どんな音が出るか経験的に知っていると、あ、この音は聴いたことがあるぞ、と、トラブルシューティングがスムーズに進む事がある。多くの達人は、ちゃんと動いていない回路がどんな振る舞いをするか経験的に知っていて、その蓄積が大事かな、と。
僕はまだ達人じゃないので、小一時間遊んで、なんか、変だなとか言いながらからおもむろに、フォトカプラの高速化のためにR2を小さくしてみた。もともと、消費電流をケチろうと思って270オームのところ、330オームをつけていたので、仕様書どおりの値に修正した。

Monotribeへの組み込み

ケースへの穴あけ

回路そのものの組み立ては多分簡単だけど、MIDIのコネクタを本体につけるのは難しい。nitro2k01氏の記事で紹介されていた場所だと、基板にコネクタが当たる。氏の記事でも、基板を切って、何とか収めたようだ。ちょうどここ、グランド信号しか来てないところなので切れる。あと、基板を切れそうなところは、serialのコネクタの隣の部分かもしれない。Twitpicに画像だけ公開されている方もいらっしゃる。

こちらの方のコネクタ増設ポイントも参考になるかもしれない。
パネル用のDINコネクタの半田付けようの端子をニッパで短く切って、その辺にぶつからないようにして(短く切りすぎるとズボっとぬけるかもしれない、それなりに尻尾は残して切るように)狭くて、指が入らないに違いないので3mmでタップを立てた。
ガラス基板は基本的に切れないと思っていい。そんぐらい硬い。無理やり切るには、アルミのシャーシに四角い穴を開けるときに使う、ハンド二ブラという工具を使って、ちょっとづつ切るのがいいかもしれない。最終的にヤスリでなでて、滑らかにしておく。見えないところにこだわってるんじゃなくて、ぎざぎざのままにしておくと、あとで絶対引っ掛ける。ひっくり返えしたり、机からダイブしたりとかのトラブルにつながる。丁寧にやっておいて損は無い。

フォトカプラ基板の設置。

ケースの穴あけには、こんなときのために用意しておいたミニホールソーを使う。千石電商で買える。(デジットならこちら)2mmのアルミに15mmの穴を開けるとか泣ける系な加工には、必須と思っていい。ヤスリで15mmの穴あけると、削りカスがテーブルに落ち、それが紙やすり状態になって、こすれてきれいなケースはぼろぼろになるわ、穴は丸くならねえわ、マメはできるわ、一晩泣きながら作業をすることを思えば、高い買い物ではない。1発あれば、たぶん、一生使える。僕は、POT用の7mmのミニホールソーも使っているのだけど、こっちは結構使う頻度が高くてもう1本追加で買おうかと思うぐらいに使い込んでいる。

透明のプラ版をコの字に曲げてはさみ、ケースの中で他に電気的に接触しらないようにガードしてある。特にねじ止めとか固定していないけど、ちょっと大きめに切ったプラ版がそこかしこに当たって圧迫され、結果、基板もそこそこ固定されている。ま、がんがん振り回したらずれてやばいことになりそうだ。無理やり突っ込んだ状態。

ああ、ネットって素敵

言うまでもないが、改造はすべて自己責任。この改造を施したらもう、メーカーは修理を受け付けない。転んでも泣かない人だけがトライして欲しい。
また、誰もが考えると思うけど、せっかく手に入れた楽器、音が出なくなったら切ない。そんな危険を冒してネットでは多くの人たちが、果敢なトライをレポートされている。こうした公開された有用なリソースは、それを元に追試させていただいて、きちんと動いたレポートをさらに公開することが大事だと思う。
そんな思いをこめつつも僕も怪しげな情報をちょっとだけ。

虫眼鏡とテスターででトレースしたmonotribeの回路のほんの一部。特に、回路図が公開されているMonotronとの対比で見ると面白い。オシレーターのコアの部分はまったく一緒、アンチログ回路周辺は、R7に、オペアンプのサミングアンプがあるのを期待していたのだけど、どうもプロセッサのほうにトレースは伸びているようだ、直接DAコンバーターにつながっていて、ビブラートのLFOとか、ぜんぶソフトで処理しているのかもしれない。C19以降もプロセッサ方向に伸びているようだ。オートチューニング機能をどうやって実装するかを考えると、ここにDACからの電圧を入れたくなるなあ、とほのかに思う。
R102は矩形波の出力。たぶん、オートチューニングのために矩形波をCPUに接続しているんだと想像する。
下の部分は波形整形。三角はコンバーター丁寧にやってるなという印象を受ける。

シンク回路周辺は、読み間違ってる可能性が高い。Q12.Q13、何で2系統作ってるんだろう。後から追加された回路的な印象を受けなくもない。多分この先はプルアップされたプロセッサのIOポートだろうな、と想像する。
SyncInは、プラグを突っ込まれたことがわかるように、CPUの入力ポートへつなげる回路が付いている。ダイオードによるクランパ、入力ポート処理のセオリー。まるでトランジスタのような形をした、表面実装のWD3というパーツがなんだかわからなくて2日悩んだけど、ダブルダイオードの略であることに気が付くと、ああ、なるほど、これならありうる、見たいな解析。こんな調子で最後までできそうな気がしない。というか、見たいところは大体読めた。全体を見渡すのは無理でも、部分だけならなんとなく読める。
monotoronのMIDI化の改造に使ったCVコンバーターを接続できないかなあ、という狙いの解析だったのだけど、オートチューン期間中には、このCVが加算されていたらちゃんとオートチューンできなさそうだ。そのスイッチの機構を考えるだけでうんざりする。どちらにせよ、簡単なCVの加算だけじゃ無理だな、という風景は見えてくる。
結果論ではあるけど、自分のやりたい事はこのあたりの改造ではできなさそうだということを理解するための解析になっちゃった。有用かどうかはともかくだけど、参考になる部分もあるかもしれないと思いながら、公開。何らかの形で活用いただければ、幸い。